2008年11月13日
クロアチア海岸線にあるボスニア・ヘルツェコヴィナ領、ネウム(Neum)
クロアチアを南下していると途中少しだけボスニア・ヘルツェコヴィナ領に入ります。これ地図でみるとかなり不自然です。内陸のボスニア・ヘルツェコヴィナは海が無いかと思いきやほんの少し、クロアチアに割り込むように9kmだけ海岸線があるのです。ネウム(Neum)という街でアドリア海に面したボスニア・ヘルツェコヴィナ領です。
ではなぜダルマチアの海岸線にボスニア・ヘルツェコヴィナ領があるのでしょうか?その歴史は17世紀までさかのぼります。オスマントルコが占領していた半バリー中部とクロアチア内部の領土をハプスブルク帝国が1699年に奪い返し、条約が結ばれました。その条約でネウムはドブロクニク領となったのですが、なんとドブロクニクは実際にはトルコからこのネウムをもらいませんでした。当時、このネウムから北一帯はベネチア共和国の領土でベネチアとドブロクニクは敵対していました。そこでドブロクニクはネウムをオスマントルコ領のままにして、ネウムを防御壁にしたわけです。ドブロクニク共和国は商業の国で当時から先進的で非常に賢い政治を行っており、小さい国ながらも、オスマントルコ、ベネチアから唯一独立を保った国です。いやあ、あえて領土をもらわず壁にするとはかなり賢いですね。
実際走ってみると、いきなりボスニア・ヘルツェコヴィナ領に入ります。
ここがネウムの街です。特にクロアチアと代わり映えしませんが、通貨は変わります。
海の方を見ると、島も見えるしとても綺麗です。右は隣町のストン(Ston)。牡蠣の養殖をしています。
ネウムの街はすぐ終わり、クロアチア入国の国境検問所がでてきました。そこでパスポートを見せてすぐまたクロアチア領です。
さらに南下していくと、クロアチア最大の観光地ドブロクニクです!!!
いよいよクロアチア旅行記のクライマックス、ドブロクニクです。お楽しみに!