2008年10月17日
クロアチア世界遺産(3/6)、シベニク(Sibenik)の聖ヤコブ大聖堂
今日はクロアチア世界遺産(全6箇所)の3箇所目、「シベニク(Sibenik)の聖ヤコブ大聖堂」を紹介します。
シベニクは海に面した中世の雰囲気を残したきれいな街。
町全体は石灰岩の道路、建物で囲まれています。散歩をしているだけで楽しい街ですね。
世界遺産はこの街ではなく、この街の中心の1つの教会「聖ヤコブ大聖堂」です。それほど大きくもないこの教会がなぜ世界遺産になったのか?それは世界的に見ても非常にユニークで独特な教会だからです。
シベニクの聖ヤコブ大聖堂(katedrala sv.Jakova)
ここはヤコブ大聖堂の横のリパブリカ広場。この日は35度くらいあり、非常に暑かった!
聖ヤコブ大聖堂を横から見たところ。建築には1431年から1535年まで約100年もかかって、途中に建築責任者が何度も変わっています。そのため最初はゴシック様式で作り始めたのですが、途中からルネッサンス様式に変わっています。
てっぺんの天蓋、クーポラはフィレンツェのDuomoにも見られるように典型的なルネッサンス様式です。
まずこの大聖堂で気になったのが周辺に付いている人の顔の彫刻です。72人の頭部の彫刻で、当時のシベニクの一般市民と言われています。
これを作ったのは地元ザダールの建築家ユライ・ダルマティナッツです。リパブリカ広場には彼の銅像があります。
この72人もの頭部の彫刻は、当時の教会建築としては非常に異例だったため後にさまざまな解釈がされました。「巡礼者を表したのではないか?」、「オスマン・トルコに反対する指導者を表現したのではないか?」などなど。今でもまで真意は不明ですが、おそらく当時のシベニクの有力者たちではないか?ということです。
この頭部の彫刻は近くから見ると非常に細かくてよくできています。1人1人個性があって、似ている人はいません。アップで撮ってみたので見てみてください。
500年も前に作られたとは思えないほどキレイでよくできていますね。確かに世界中捜してもこのような教会はないでしょう。
次に広場に面した側面を見てみましょう。
2頭のライオンが柱を支え、その上にはそれぞれアダムとイヴの彫像があります。結構リアルで印象的です。この扉は「楽園の入口」または「ライオンの扉」と呼ばれています。
このライオンの扉から正面に回ってみましょう。
これが聖ヤコブ大聖堂の正面です。
クロアチアで最も重要なルネサンス様式の聖堂で、レンガや木の支柱を全く使わずに建てられています。
支柱を使わずに建てられた石造建築の教会としては世界で最も大きな教会です
教会に使われている石は地元の石灰岩と共に、ブラチ島産の石灰岩と大理石です。このブラチ島は石灰岩で覆われた島で、2千年も前から石切り場がある島として有名だったそうです。その石材はクロアチア中の宮殿やブタペストの国会議事堂、さらにはUSAのホワイトハウスにも使われているということで驚きですよね!
では中に入ってみましょう。
石を張ったルネサンス様式の箱型教会は建築学的にたいへん珍しいのだそうです。
ここは教会奥の階段を下りたところにある洗礼室(有料)。かなり狭いですがいたるところに彫刻がしてあり、特に天井部分の彫刻、装飾は大変きれいです。
というわけで、聖ヤコブ大聖堂は随所に世界的にも珍しい建築がされているため、2001年に世界遺産となりました。
リパブリカ広場から階段を上って丘の上の「聖アン(ミホヴィル)要塞」に行ってみました(=20kn)。
要塞の中です。この階段を上ると街を一望することができます。
クルカ川河口とシベニクの街全体を見渡すことができます。屋根の色が統一されていてとてもキレイですね。
おお!丘の上から見た聖ヤコブ大聖堂です。全体が見れていいですね。
あとはのんびりと丘を下りながら中心に戻りました。
猫が気持ちよさそうに寝ていました。
街全体が白い石でできていてとてもキレイです。
クロアチアはイタリアン料理が非常に多く、この日のランチはピザにしました。結構おいしかったですよ!
クロアチアはきれいですばらしい街が多くて最高です。
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この記事へのコメント
久し振りにブログをひらかせていただきました。
相変わらず、素敵な旅をされているようですね☆
→Mixi仲間のTomokoさんですね。
新しい仕事はどうですか?金融業は今はとっても大変ですね。やりがいのある仕事だと思いますので頑張ってください。ミラノにも是非遊びに来てください!!
Ciao,Ciao!!
どうやら元は「world’s largest church built completely of stone without brick or wood support」の誤訳かと想像されます。
正しくは「レンガや木の補助を全く使わず建てられた石造建築の教会としては、
世界で一番大きい。」
参考
http://en.wikipedia.org/wiki/Giorgio_da_Sebenico
に記載されている
The entire building was built solely of stone, with no wood or bricks
used in the structure.
→ご指摘ありがとうございます。英語の文献から調べていてすごいですね。
私は日本語のガイドブック(名前は伏せます)からとりました。
どうもありがとうございました。