2007年11月20日

イタリア世界遺産(20/41)その1、 ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂

4月のローマ旅行の残り、、、もうだいぶ経ってますが。

ローマにはたくさんの歴史建造物、重要な教会があります。そのローマ歴史地区全体が世界遺産に指定されています。今回「サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」には行けませんでしたが、その他について紹介します。

ボルゲーゼ美術館

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ボルゲーゼ枢機卿は17世紀にベルニーニやカラヴァッジョなど当時活躍していた作品をはじめ、ラファエロ、ティツィアーノなどの大作家の作品もある、イタリア有数の美術館。ラファエロ、ティツィアーノなどの作品はすでに手に入れることは難しく、盗賊まがいの不正な手段で集めたそうです。ひどい。。。。ここはなんと事前に予約しないと入ることすらできない美術館。素晴らしい絵画が多かったです。でも盗難品も多く含まれていたなんて・・・

サンタ・マリア・デル・ポポロ教会

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1099年、法王Pasquale2世は当時のフラミニア門の脇に聖母マリアに捧げる小さな教会を建てさせました。建設資金をローマ市民(Popolo=ポポロ)が負担したのでそれを記念してS.M.デル・ポポロ教会と呼ばれるようになりました。900年前に建てられた教会なんてすごいですよね。カラヴァッジョの絵もあって素晴らしい教会でした。

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天井を見上げると、モザイク画がありました。これはファラエロの下絵だそうです。

 


 

ポポロ広場

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1300年を「聖年」に定めて以来、北からのローマ巡礼の人々の通り道となったフラミニオ門(現在のポポロ門)の内側に位置する広場です。

巡礼者はここで身元を調べられ、税を納めて無事市内に入ることを許されたそうです。日本で言えば関所ですね。

写真の中央にある高い塔は台座を含めると36.5mもあるオベリスク。紀元前1200年頃にエジプトで造られ、1589年にスクストゥス5世により巡礼者の道しるべとしてここに設置されたそうです。棟にはアルファベットではない文字、おそらくアラビア文字が書かれていました。

 

サンタ・マリア・イン・モンテサント教会とサンタ・マリア・ディ・ミラーコリ教会

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ポポロ広場の南に面した2つの教会は双子教会とも呼ばれています。

確かにそっくりな教会が並んでますね。

設計当時、双子教会にしようとしたのですが、実は左のサンタ・マリア・イン・モンテサント教会の方が右よりも敷地面積が大きいことが分かりました。そこで設計者のカルロ・ライナルディは左の大きい教会には正円の円屋根、右の小さい方の教会には楕円の円屋根をつけ、見る人々の目の錯覚によって同じ大きさに見えるようにしたのだそうです。

 

スペイン広場

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ご存知スペイン広場です。渋谷のスペイン坂じゃないですよ

1723年に建築家フランチェスコ・デ・サンクティスによって階段の建設が行われ、丘の上と下がつながりました。昔ここにはスペイン大使館があったためこの名前となりました。映画ローマの休日でアン王女がここでジェラートを食べるシーンは有名ですよね。でもなんと今はここでジェラートを食べることが禁止されています。ゴミが散らかったための処置だそうです。。。。

 

パンテオン

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現存するローマ建築の最も完全な遺構で、世界最大の石造りの建築。1900年もの昔に建てられたとはとても信じられません。パンテオンとは、「すべての神々の」という意味。紀元前27年にアグリッパが建てたが火災で焼失。その後118年にハドリアヌス帝が立て直しました。サン・ピエトロ寺院を凌ぐ43.3mという大きなクーポラで覆われています。

パンテオンが他のローマ時代の遺構と異なり破壊や略奪から免れたのは、ここが聖母と殉教者を祭る教会となったためだそうです。

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この入り口のブロンズ製の扉は1900年前当時のままということで驚きです。

 

 

 

 

 

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中に入ると天井には天窓が開いているのが分かります。直径9mの天窓、雨のときは水が入ってきますが、その光景が非常に幻想的で美しいのだそうです。

 

 

 

 

 

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この円周には、国家的な功労者が祭られています。

 

イタリアを初めて統一したヴィットリオ・エマヌエーレ2世の墓、その息子のウンベルト1世の墓など。

 

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これはラファエレの墓です。37歳で亡くなったラファエロはここに埋葬するように言い残し、墓にはロレンツェットに聖母子像を依頼したそうです。

 

 

 

 

 

チルコ・マッシモ

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広大な広さの円形競技場の跡地。紀元前7世紀終わりにタルクィニウス・プリスクス王が造ったといわれています。長さ620m、幅120mに及ぶ広大な競技場で30万人も収容できたそうです。コロッセオよりはるかにでかいです。ここで馬の引く戦車による競走が行われていたそうです。まあでも今は普通の芝生の広場ですね。

 

 

真実の口(サンタ・マリア・イン・コスメディアン教会)

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真実の口広場につくとものすごい人だかり!サンタ・マリア・イン・コスメディアン教会です。

 

みんなのお目当ては教会参拝ではなく、「真実の口(Bocca della Verita)」です。

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あまりに混んでいたので断念しました。大行列の人達が一人一人このように写真を撮っているのでなかなか列が進まないのです。。。。

この真実の口は、「うそを言った者がこの口に手を入れると手を食べられてしまう」という言い伝えがあります。

観光客の中には口の中に手を入れて、「ウワァ」と痛がって手を引っ込める人もいて、周りの人達が盛り上がっていました。

 

 

 

カラカラ浴場

212年〜217年にかけてカラカラ(Caracalla)帝が造った大浴場です。

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中央に3つの温度の違う浴槽と大きなホールが配置され、その両脇にはトレーニングのためのアスレチック施設や汗を流すための部屋などが更衣室と共に左右対称に配置されています。

この浴場のために新たに水道が引かれ、床や壁にはモザイク画、彫刻が置かれていたそうです。

 

フォロ・ロマーノ

フォロ・ロマーノの「フォロ」は今も日本で使われている「フォーラム」の語源になった単語。

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古代ローマ時代には市民の集会や裁判、商業活動や政治討論の場として設けられた公共広場でした。奥には集落もあるのですが、時間がなくここまで。

 

 

コンスタンティヌスの凱旋門

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コロッセオのすぐ前にある、高さ28m、ローマ最大の凱旋門です。コンスタンティヌス帝がマクセンティウス帝に勝利したことを記念して351年に建立されました。

 

 

 

コロッセオ

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12世紀に言われた有名な言葉に、「コロッセオがある限り、ローマも存在するだろう。コロッセオが崩れる時、ローマも終わりとなるだろう。が、ローマが終わる時は世界の終わりだ」というものがあります。これから800年経ちましたがコロッセオはこの通り無事存在してます。世界も無事ということですかね。

4階からなる外側は下の層からドーリス、イオニア、コリント式の柱で飾られ、内部には観客席が身分性別によって仕切られていたそうです。

中に入ってみるとこんな感じ。

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今は競技場の地下が丸見えになってしまっています。この地下には当時、猛獣の檻や器材や道具置き場になっていたそうです。

当時はフラヴィオの円形劇場と呼ばれ、直径188m、短径156m、周囲527m、高さ57m、そして5万人収容という広さです。実際入ってみると、今のサッカー競技場と同じくらいの大きさ。

当時はここでたくさんの市民を集めて、剣闘士と猛獣の殺し合いをさせたり、キリスト教徒を迫害するために僧侶を猛獣に食べさせたりしたそうです。。。。。これは支配者の重要な政策の1つで、市民達のうっぷん晴らしに使われたのです。昔はコロッセオ、今はサッカー競技場、イタリア人は昔も今も競技場で騒ぐのが大好きなのですね。。。。

このような血なまぐさい見世物はキリスト教が公認された後、6世紀後半からはなくなったそうです。う〜ん、でも恐ろしいですね。

 

サンタンジェロ城

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サンタンジェロ(Sant Angelo)城です。Angelo=アンジェロ、エンジェル、天使、ということで天使の城です。

 

ローマにペストが猛威を振るった590年のある日、法王グレゴリウスを先頭に歩いていた行列がこの近くに差し掛かったところ、大天使ミカエルが空に現れて疫病の終息を告げたことに由来します。

映画「ローマの休日」では夕方にここでダンスパーティが行われて、大乱闘になるところです。

いろいろと書いていたら長くなりすぎました。。。。ヴァチィカンについては明日に回そうと思います。



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